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犬には沢山の種類があります。そのいずれもが、先人が目的をもって作り上げてきたものです。当然、犬種によってそれぞれの目的にかなった特性をもっています。しかし特定の目的に優れている事が、日本の住環境を考えた社会において、家庭犬としては不適当な場合も多くあります。
まず、多くの方が、外見上の、好き嫌いで判断されることでしょう。この事自体は、決して悪い事ではありませんし、むしろ当然とも言うべきでしょう。次に、その犬種の持つイメ−ジや、評判を併せて、考えられることでしょう。知り合いの家の何々犬がとても良い子だから、可愛いいから、そうした判断でお決めになる方も多いようです。これは、大変に大事な事の反面、大変危険なこともあります。ほんの数頭の犬を見ただけで、その犬種の全てが、そうであるとは、当然に言えないからです。
その犬種の相対的な評価を知ろうとすれば、本の知識や、専門家の話を聞くことになりますが、ここでも気をつけて頂くことがあります。専門家というのは、それぞれの立場でものを言います。問題となるのは、主に二点。一点目は、あばたもえくぼだということ。つまり、通常の人には欠点である項目さえもさして苦にならない、時には、それが楽しみや魅力にさえなっているということです。だれもが自分の愛好する犬種を奨めるでしょう。少なくとも本人は、その種を良いと思っているのですから。
そして二点目は、商売だということです。販売業者の場合は、まず在庫の犬を奨めます。なぜなら、犬という商品は、在庫として抱えれば、その間に餌も食べますし、管理の手が掛かります。売れる前に、病気になったり死んでしまう事もありますし、日増しに大きくなるとともに、売れにくくなるからです。
見た目の好き嫌いは、誰もが、ご自身の感性で決める事ができますが、肝心の性格や特性はわからないままにお飼いになる方が多いのです。この時、売主に話を聞いても無意味なことは、先に述べた通りです。
大型犬の問題点として、言うまでもなく、大きい事です。どんなにおとなしくても、いざという時に、その力は非常に強いという事です。そして、万一性格の悪い犬になってしまった時には、それこそ命懸けです。小型犬の問題点としては、性格のきつい犬が多い事、神経質な犬が多い事、その原因として、小型の犬の場合、噛む癖のある犬であっても大事故にならないため、平気で繁殖に使われる事があるということです。
毛の長さに関して言えば、長毛犬は、毛の手入れが大変ですし、短毛犬は、抜毛の処理が大変です。意外なほどよく抜けますし、カーペットに刺さるので、なかなか掃除しにくいのです。また、毛質によって、特に絹毛の犬などは、手入れがよければ、たいそう美しいものですが、ちょっと怠っただけで、すぐに毛がからんで毛玉になります。見た目が悪いだけならともかく、毛玉を放置しておくと、悪臭の原因や皮膚病になったりします。
犬種の特性を知るためには、その犬種が作られた目的を考える事が一番だと思います。しかし、本には、良い事しか書いていないことが多いようです。
例えば、吠える問題に関して、相談を受ける事の多い、ビーグル犬なども、ある本によれば「草原の声楽家といわれるこの犬種は、英国貴族のキツネ狩りに使われその優れた性能はうんぬん」と書かれています。牧羊犬として優れた血統を選んで繁殖されたシェルティー犬であれば、家庭の中で飼われたときに、ジョギングをする人や、自転車、バイクに吠えかかったり、お客さんが、帰ろうとした途端に、その踵に噛みついて、前を塞ぐなどのいわゆる問題行動を起こすことは、想像に難くないのです。
また、日本犬や、テリアに代表される獣猟犬は、まず、性格がきついものと考えた方が良いでしょう。そもそもおとなしい性格では、命懸けで立ち向かう野生動物に挑みかかる事などできないのですから、当然に、繁殖にも用いられることはありません。
一時、大流行となった、シベリアン・ハスキーという犬種が、すぐに人気が下火になりましたが、私は、ハスキーが元来、頭の悪い犬種や、性格の悪い犬種だとは考えていません。実際、北極圏周辺の地において、この犬種は、使役犬として、有能な成果をあげています。しかしそれは、ソリ犬として飼われ、ソリ犬として使われて、の話なのです。極端な言い方をすれば、人なつこくて、飼い主の傍にいることが何より嬉しいといった犬であれば、ソリは、いっこうに前に進まないのです。当然に、繁殖する上では、ソリ犬として不要な、人間に対する服従性や、依存性は排除されてきました。そうした犬種を家庭犬として飼うからいけないのです。飼い主の言うことをきかせようとするから、性格が悪くなるのです。
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