しつけと訓練


犬と暮し始めた方が、「愛犬の訓練を・・・」と考え始める時、ほとんどの方は、「しつけ」を求めているのが現実です。

先ほど述べた様に、「しつけ」と「訓練」という言葉が、時に同じ意味で、また、時に異なる意味で使われる事があります。

「しつけ」とはなにか、「訓練」とはなにかをきちんと理解しないままに話を進めますと、なにかと誤解を生むことがありますので、そこから話しを始めましょう。

正確な表現ではありませんが、一般の方が考えるところにおいて、

『 訓練 』と称される分野は、高揚。

すなわち、生来もつ特定の能力を、人間の役に立つように、ひきだし、高めること。つまり「勉強」的な要素が多く「何かをする様に教える」といった色合いが強いようです。具体的には、「服従訓練」「防衛訓練」「嗅覚訓練」などがあります。

それに対し『 しつけ 』と称される分野は抑制。

すなわち、人間にとって不都合な、本能、習性を押さえること。つまりは、「行儀・作法」的な要素、そして「何かをしない様に教える」というケースが多く見受けられます。具体的に言うならば 「跳び付かない様に」「吠えない様に」あるいは「家具を噛らない様に」などといった具合です。

言うまでもなく、前者の場合は、命令したその一時だけの事ですが、後者の場合は、四六時中のことですから、教えるとなったら、数倍の時間と労を要するのです。

にもかかわらず、「訓練は大変、しつけは簡単」だとか、「訓練までは必要ないけど、しつけ程度は」、といった感覚の人が多いのです。

私の手持ちの国語辞典によると、次のように書かれています。

「教育」  教えて、覚えさせる(しつける)こと

「勉強」  能力や知識を得るために、心をはげまして、習ったり、学問をしたりすること

「訓練」  教えて、じゅうぶんにそのことになれさせること

「しつけ」 礼儀(相手にたいして失礼にならないような態度やふるまい)や、
       作法(しかた、やりかた)をしこむ(教えこむ)こと          

ただしこの書では、そうしたことを理解の上、便宜上「生活ルル」を教えることを「しつけ」、  「科目」を教えることを「訓練」と分けて話しを進めていきます。

服従訓練の基本的な科目については、当然にしつけの中で、ごく自然に入り込んできます。

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