なぜ、しつけをするのか?


例えば、人間の子供であるなら、何も教えずに、ただ、生存に必要な食物を与えて、充分な運動をさせているだけの人などいるものでしょうか。日本においては、最低限、義務教育は受けさせるでしょうし、どんなに非文明国の人であっても、その民族の社会ルールだけは、必ずや教えているのです。

むしろ 「何故、しつけをしないのか」 とこちらが尋ねたい程なのです。私は、犬のしつけを犬に対する愛情、社会に対する責任と捉えています。

人里離れた広大な地に、犬中心の世界を作っているなら話しは別ですが、皆さんは犬を養っているのです。犬に養って貰っている人とでは、本質が全く違うのですから、テレビなどで見るそうした世界での「犬との付き合い方」を理想だと考えてしまうことには、私は危険を感じます。

人間社会の仲間として、あるいは、家族の一人として犬を考えるのならば、犬にしつけをする事こそが、あたりまえのことなのではないでしょうか。

もちろん、犬という動物が本能として持つ行動について、どこまでを認め、あるいはまた、どれだけの制約を加えるかは、各々飼い主の方の判断ですが、最低限、人様に迷惑を掛けない程度には、お考え頂きたいと思います。

犬の嫌いな方、怖いという方にしてみれば、跳び付かれただけであっても、「襲われた」となりますし、噛られただけであっても、「咬み付かれた」という表現になるのです。また、足腰の弱い方ですと、跳び付かれた拍子に転倒し、思いも因らない大怪我をすることもありますし、小さいお子さんですと、大声で逃げ回るがために、平素はとてもおとなしい犬であっても、狩猟本能が呼び起こされ、想像も付かない行動を惹き起こす事もあります。 

また、よく、「あそこの家は、犬の散歩にも行かないで犬を飼っていて、あれでは犬を飼う資格など無い。」という意見を耳にしますが、むしろ、しつけもしていない犬を街中に連れ出す飼い主の方が、もっと、犬を飼う資格が無いように私は思います。

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